JR東海運用情報 wiki - 半固定編成化
注意 : この記事は2022年3月改正直後の状況を示しています。現在の状況は各線の編成(2024.3)をご覧ください。


2022年3月改正において、車両運用の考え方に大きな変化が生じている。

これまでは、同一固定編成グループでローテーションを行い、列車の編成に応じて併合・分割を行う方法であった。日替わりでローテーションを行うため、併結編成の前に出たり後ろに行ったり、併結相手の編成が毎日変わるのが常であった。

ところが今回の改正では、あらかじめ特定の編成同士を連結し、解放することなく半固定編成化して運用するグループが現れた。これにより、日々の併結・解放作業を低減する狙いがあるものと見られる。

神領車両区

神領車両区が担当する中央線名古屋口(名古屋〜中津川間)では、今回の改正で全列車が8両に統一された。これにともない、以下の3つの8連グループに集約して共通運用を基本としている(ただし、現状は315系のみ限定運用の模様)。
列車編成半固定
編成数
315系(8)■■■■■■■■7
211(4+4)■■■■-■■■■8(+2)
211(3+3)+313(2)■■■-■■■-■■7
()内は予備編成。
この計22本で中央線名古屋口の22行路を賄う。予備編成は211(4+4)が別途2本分確保されている。

315系(8)

315系はもとより8両固定編成である。C1〜C7編成までの7編成。予備編成なし。

211系(4+4)

211系5000代4連を2編成併結して、8両とする半固定編成。以下は3月20日ごろのもの。
No編成構成(K0編成)
1K1K2
2K5K12
3K7K19
4K9K15
5K13K3
6K14K6
7K16K17
8K20K11
以上の8本の半固定編成である。このほかK0編成には予備車が4編成あり、半固定編成とは言うものの、ときおり組み換えが行われる模様。

唯一予備車を持っていることから、他の半固定編成が検査時など運用離脱した際は、この211系8両編成が代走することになる。

211系(3+3)+313系(2)

211系5000代3連(K100編成)を2編成と、313系1300番台2連(B400編成)を併結して8両とする半固定編成。下表は3月20日ごろのもの。
No211系(3+3)313系(2)
1K101K106B401
2K117K103B402
3K112K113B403
4K102K104B404
5K109K108B405
6K107K110B407
7K114K111B408
以上の7本。B400編成(313系2連)は予備が1編成あり、ときおり組み換えが行われるが、K100編成は3編成が廃車され現状14編成で予備車はなく、検査入場時などには211系(4+4)の半固定編成で代走する。

ただし、315系(C編成)と211系3連(K100編成)の運用離脱が重なると211系(4+4)では賄いきれず、211(3+3)を211(4)+313(2)に組み換え、
  • 211(4)+313(2+2)
のイレギュラー編成が見られることがある。

なお、B400編成の予備はB500編成と併結して、関西線で運行しているB0編成が検査で離脱した際の代走にも充てられる。

大垣車両区

大垣車両区では東海道線用に、8連の半固定編成グループと、6連の半固定編成グループがある。

6連グループは3種類の構成があり、共通運用としている模様。
両数列車編成半固定
編成数
8連313(2+6)■■-■■■■■■15
6連313(6)■■■■■■2
313(2+4)■■-■■■■6
313(3+3)■■■-■■■3

中央線とは異なり、すべての編成を半固定編成としたわけではなく、4連のまま従来と同様に日々ローテーションで運用する編成もある。

8連グループ

313系5000番台6連(Y100編成)と、313系2連(300番台Y30編成または5300番台Z編成)を併結したグループ。8連の半固定編成として運用される。
No313系(6)313系(2)
1Y101Y41
2Y102Y42
:::
6Y106Y46
7Y107Y37
:::
10Y110Y40
11Y113Z1
12Y114Z2
:::
15Y117Z5

以上、15本の8連半固定編成としており、編成番号を極力揃えてあるのが興味深い。
運用は14行路であり、予備編成が1本確保されている。

なお、313系5000代6連(Y100編成)は全17編成あるが、残りの2編成は単独6連として次項の6連グループで運用される。
一方、2連のY30編成・Z編成は合わせて21編成あり、すべて8連グループおよび次項の6連グループに組み込まれている。ただし、ときおり予備車を捻出して、4両の代走に入ることもある。

6連グループ

6連グループは3種類の構成があり、織り交ぜて共通運用としている模様。

まず、313系5000代(Y100)が2本。
No313系(6)
1Y111
2Y112

続いて、313系0番台4連(Y0編成)と313系300番台2連(Y30編成)の併結6連が6本。こちらも編成番号を揃えてある。
No313系(4)313系(2)
1Y1Y31
2Y2Y32
3Y3Y33
4Y4Y34
5Y5Y35
6Y6Y36
なお、Y0編成は全15編成あるが、残りの9編成は単独運用の模様。

さらに、神領車両区から転属した313系1500/1600番台3連(J150/J160編成)を2本併結した6連3本。
3月20日現在の編成状況は以下の通りである。転入したばかりの1500番台・J151編成が検査で運用を離脱しており、予備車を共用する飯田線用の1700番台(J170編成)が組み込まれている。
No313系(3)313系(3)
1J152J153
2J163J164
3J162J173

以上、6連グループは11本。運用は10行路なので、1本の予備が確保されている。

4連の共通運用

半固定編成ではないが、4両編成の、
  • 313系0番台 (Y7〜Y15) 9編成
  • 313系1100番台 (J1〜J10) 10編成
は、共通運用が組まれている。
編成が不足すると、313系300番台(Y30編成)と313系3000番台(R100編成)の併結4連で代走する。

一方、311系G編成は独立した限定運用と見られていたが、2022年5月に2編成が廃車となったことから、今後はイレギュラーな運用が予想される。

半固定編成の組み換え・運用離脱

半固定編成とはいうものの、検査で運用離脱したり、他編成の代走のため半固定編成を解いたりする場合がある。このような場合、神領区と大垣区では考え方が異なるようだ。

神領車両区は定期的な組み換え

神領区では、中央線名古屋口運用を8両の半固定編成に集約しているが、大垣区とは異なり編成番号を揃えることは行われていない。

このため、予備車の存在する211系4連(K0編成)や313系1300番台2連(B400編成)は、定期的な組み換えを実施し、予備車を変更して走行距離を揃えているようだ。

大垣車両区は半固定のまま運用離脱だったが…

東海道線で運用する大垣区の半固定編成は、併結相手の編成番号を揃えることを原則としており、基本的に組み換えは行っていない。

予備車の入れ替えや検査、他形式の代走に充てる場合は、半固定編成ごと運用を離脱させる。両数の異なる編成の代走に充てる場合は、半固定編成を解いて別の編成を組むこともあるが、代走が完了すると元の併結相手と半固定編成を組み直して復帰する…

…と、このように大垣区の半固定編成は比較的わかりやすい形で運用されていたが、5月に311系2本が廃車回送されたことにより、変則的な編成が目立ってきている。

なお、313系1500/1600番台(J150/J160編成)の6連半固定編成は、神領区と同様に定期的な組み換えを実施している。併結編成の編成番号にもこだわりは見られない。

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