JR東海運用情報 wiki - 2022年3月改正
このページは、前回のダイヤ改正情報を残したアーカイブです。
最新の改正情報は2023年3月改正をご覧ください。


JR東海は、2022年3月12日(土曜日)に実施するダイヤ改正について発表した。
ここ数年、同社の在来線についてはほぼ無風であったが、今回の改正は、315系C編成の運行を開始する中央線名古屋口に大幅な変更が見られる。

中央線名古屋口を終日8両編成

時間帯に応じた編成長を8両に統一

これまで、中央線名古屋口(名古屋〜中津川)は、時間帯に応じて編成長を変えていた。
  • 朝 10両
  • 昼 4〜6両
  • 夕 6〜10両
一部例外もあるものの、上記のパターンであった。
(詳細は平日下り運用 , 平日上り運用を参照)

今回の改正では、終日、すなわちすべての列車を8両編成に統一する。改正時点で運転を開始する315系は8連×7編成に過ぎないが、2023年度末に予定されている315系への車両統一に向けた布石と思われる。

なお、315系の営業運転開始は改正1週間前の3月5日であり、この間に315系の運用開始により捻出した車両の転属が進められた(車両の動き(2022.3)を参照)。

朝ラッシュの8両化を補うため増発を実施

8両編成統一により、昼間〜夜間にかけてはおおむね編成増強となるが、これまで10両編成で運行していた朝ラッシュは輸送力が低下する。
そこで、10両編成を運転する朝ラッシュピークの時間帯に3本を増発する。また1本の運転区間を延長する。
改正前(10両)改正後(8両)
始発種別名古屋
始発種別名古屋
備考
多治見普通7.29多治見普通7.32
中津川普通7.39中津川普通7.40
瑞浪普通7.49瑞浪普通7.45
土岐市普通7.50増発
南木曽快速7.54中津川*快速7.55
瀬戸口普通7.59瀬戸口普通7.59
瑞浪普通8.04瑞浪普通8.04
坂下快速8.09多治見普通8.08
多治見普通8.14中津川*快速8.12
高蔵寺普通8.16増発
多治見普通8.19瑞浪普通8.20延長
南木曽快速8.24中津川*快速8.26
瀬戸口普通8.29瀬戸口普通8.30
多治見普通8.34増発
土岐市普通8.34土岐市普通8.38
中津川快速8.41中津川快速8.42
高蔵寺普通8.46高蔵寺普通8.46
(*南木曽・坂下発は中津川始発に改められる模様)

中央線名古屋口は改正前でもほぼ限界のダイヤであり、ホームライナーを上記の運行時間帯から外して、なんとか増発を実現した模様。

増発には苦心したようで、ニュースリリースには詳細な各駅時刻も掲載されているが、快速は軒並み所要時間が伸びている。

名古屋地区 終電の繰り上げ等

前回のダイヤ改正では、JR各社が終電の繰り上げを実施するなかで、とくにJR東海は見直しを行わなかった。
しかし、今回の改正では名古屋地区で終電の繰り上げを実施する。ただし、規模は大きくない。

東海道線 名古屋→岡崎・豊橋方面

名古屋0:20発の大府行きの運転を取りやめる。
最終は23:59発の岡崎行となる。

中央線 下り

名古屋0:20発の高蔵寺行の運転を取りやめ、0:05発の快速瑞浪行きを普通高蔵寺行とする。

関西線 下り

名古屋発最終23:57の亀山行を四日市止まりに。その代わりその前の23:39発四日市行を亀山行に延長。
運転本数に変更はない。

関西線 区間快速の停車駅見直し

関西線で朝・夕に運転している区間快速の停車駅に、八田・春田を追加。
これにより、区間快速は名古屋〜蟹江間(3駅間)が各駅停車となる。

なお、昼間時運行の快速の停車駅に変更はない。

ホームライナーの見直し


これまでも削減傾向にあったホームライナーについて、さらに大幅に見直しを実施する。

中央線の見直し

平日のみ運転の中央線のホームライナーは、上り(朝)・下り(夜)ともに運転区間を名古屋〜瑞浪に統一する。また、列車によってバラバラであった名古屋市内の停車駅を、名古屋〜大曽根間各駅停車に統一し、通過扱いの多かった高蔵寺も全列車が停車する。

運転本数は以下のとおり。
運転区間改正前改正後本数差
多治見→名古屋20△2
瑞浪→名古屋12+1
上り(朝) 計32△1
名古屋→瑞浪32△1
名古屋→中津川20△2
下り(夜) 計52△3
このほか、運転時刻も見直される。朝ラッシュに普通列車の増発を行うため、ラッシュのピークを避けた時刻の運行となる。

また、夜のホームライナーは、17時台から21時台まで名古屋毎時58分発のパターンダイヤが組まれていたが、本数を大きく減らしたため、同17:58発と20:38発の変則的な運行となる。

静岡地区は土休日のホームライナー全廃

静岡支社管内では土休日にも上下合わせて6本のホームライナーが運行されているが、今回の改正で全廃となる。

追加情報

直通運転の取りやめ

時刻表2022年3月号が発売となり、詳細なダイヤが明らかとなった。

中央線の8連化統一に伴い、朝に運転している
  • 中央線から東海道線(岐阜)への直通運転(2本)を取りやめ
  • 南木曽・坂下発の名古屋行快速(3本)を中津川止まり
  • 下り・神領発松本行は、中津川で系統分離。

中央線から東海道線への直通列車は、高蔵寺始発の快速、高蔵寺で快速に抜かれる多治見発普通など、イレギュラーな列車であったが、これも改められた。「高蔵寺始発快速」「高蔵寺で快速の退避」は消滅している。

また、現行の南木曽・坂下発の名古屋行快速を中津川止まりとする一方、中津川始発名古屋行快速は存続するため、中津川で系統分離する形となる。早朝の神領発松本行も同様に中津川で系統分離される。

一方で、東海道線の長距離普通列車、静岡発岐阜行・菊川発岐阜行は今回の改正でも存続している。

列車番号に見る中央線の運転本数

列車番号は行先・種別によって区分されていることから、区分ごとの最終列車番号により、運転本数を比較することができる。
中央線平日下り
平日下りは終電繰り上げが実施されるが、早朝6時台に増発されている影響で2本の増となっている。ただしホームライナーは3本の減となっているため、トータル運転本数は1本減。
おもな行先改正前改正後増減
高蔵寺195M195M±0
瀬戸口1607M1607M±0
多治見・瑞浪685M691M+3
中津川707M709M*±0
快速 瑞浪2617M2613M△2
快速 中津川2769M2771M+1
+2
(*) 中津川行は1本増に見えるが、早朝の神領発松本行が中津川で系統分離となり、1825M→701Mに列車番号を変更したのみ。このため本数に変更はない。
中央線平日上り
平日上りは朝ラッシュに増発されるが、夕方の神領発送り込みの営業運転が廃止されており、本数に変化はない。ホームライナーは1本の減となっているため、トータル運転本数も1本減。
おもな始発改正前改正後増減
高蔵寺1112M1108M△2
瀬戸口1602M1602M±0
多治見・瑞浪682M698M+3
中津川710M712M+1
高蔵寺発 快速2100M-△1
瑞浪発 快速2614M2616M+1
中津川発 快速2764M2760M△2
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東海道線(名古屋地区)に半固定編成を導入

ニュースリリースではないが、某労組が公開している情報には以下が挙げられる。

東海道線(名古屋地区)について、2・4・6両の編成を、6両8両編成列車で運用するとのこと。

当初意図がよくわからず、6両・8両に増車するとも思われたが、改正後の運用に半固定編成を導入することであったようだ。

すなわち、編成ローテーションによる併結・解放を減らし、2・4・6両の編成を併結して半固定化し、6両固定または8両固定として運用する方法を指している。なお、これもすべてではなく、2両・4両のまま運用する編成もある。

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