JR東海運用情報 wiki - 2023年3月改正
JR東海は、2023年3月18日(土曜日)にダイヤ改正を実施した。
新幹線や特急がメインであり、在来線の普通・快速はほとんど記載がなくほぼ無風の改正である。

普通・快速は無風の改正

前回の2022年3月改正では中央線を中心に大幅な動きがあったが、今回の改正は新幹線や特急がメインであり、在来線の普通・快速に大きな記載は見られない。

在来線では、ハイブリッド特急車両であるHC85系の増備を進め、特急ひだの定期列車はすべてHC85系。キハ85系は臨時列車と特急南紀の運用を残すのみとなる。普通・快速については、高山線・参宮線の接続改善や運転区間の見直しが図られるのみである。

鉄道各社が減便ダイヤに励む中、相変わらずJR東海は現状維持を続けている。

ダイヤ改正詳報

時刻表が発売となり、詳細が明らかとなった。JR東海運用情報に関連する路線について取り上げる。

中央線名古屋口・関西線・東海道線(大垣〜米原)

これら各路線は軽微な時刻修正のみ。各列車の運転区間・種別の変更はなく、運転順序にも変更は見られない。

東海道線名古屋発着

こちらも軽微な時刻修正のみが基本であり、種別や運転順序の変更はない。細かいところで、
  • 平日朝に運転している普通列車106F「大垣発浜松・武豊行・大府分割」について、土休日も同様に設定
  • 普通 豊橋発岐阜行(131F/3133F)を浜松からの直通に変更
が挙げられる。その他の列車については運転区間の変更はない。

東海道線(浜松〜豊橋)

前項131F/3133Fのほか、
  • 早朝の上り、豊橋発静岡行と浜松行が順序変更
  • 日中の下り、興津発豊橋行が浜松で分断
  • 下り豊橋行き最終が静岡始発に
  • その他、掛川〜豊橋を浜松〜豊橋に分断(わりとよくある小変更)
  • 軽微な時刻変更
名古屋付近に比べるとやや変更が目立つ。静岡支社管内では多少動きがあるようだ。

車両運用には変化も

一方で、315系の増備が進むことから、中央線を中心に車両運用に動きがある。315系の置換対象車も淘汰が進み、改正前には313系の転属も行われた。

中央線名古屋口315系充当列車

中央線で運転される315系C編成の充当列車が、JR東海公式サイトの各駅の時刻表で確認できる。中央線の駅の時刻表を表示させると☆印が付いている列車があり、これが315系で運転される列車となる。

これは2023年改正でも公表されており、315系で運転される列車本数を前回改正時と比較すると以下の通りとなる。
改正時2022年3月2023年3月
平日87本144本
土休日87本144本
運用行路数7行路
(土休6行路)
10行路
144本は中央線名古屋口の半数弱にあたるが、2023年3月までに13編成が投入されることを考えると、全22行路中10行路は控えめな感がある。

改正直後より限定行路以外にも1本が充当されてはいるが、13編成目がダイヤ改正に間に合わないこと、1編成が日本車輛で非常走行装置取付工事中であることが影響していると考えられる。

なお、駅の時刻表の☆は区別がつきにくいため、改正前後の充当列車を別途Googleシートで一覧比較したものを用意した。合わせて参照されたい。

改正時における車両の動き

中央線名古屋口は前回の改正で、編成は8両に統一されて3パターンの半固定編成化が図られているが、315系の増備が続いていることから、改正前より編成本数も徐々に変わり、以下の構成となった。
中央線 列車編成2022.3
改正時
2023.3
改正時
2023
3.31
315系(8)■■■■■■■■711(+1)12
211(4+4)■■■■-■■■■8(+2)1010
211(3+3)+313(2)■■■-■■■-■■71(+2)0(+2)
()内は予備編成。

時刻表で示されている315系限定行路は10本であるが、実際には改正直前より11本が運用に就いている。今後も限定行路以外の315系が増える見込みで、次回改正時にはすべて315系となる予定である。

一方、315系の増備が続く中で、211系5000番台(3連・K100編成×2)と313系(2連・B400編成)の混成編成が数を減らし、211系の廃車もK100編成が先行して進められている。前回改正時の7本から今回改正時に3本まで減り、運用も1行路だけの状態であるが、全廃までは至らなかった。
※追記 2023年3月31日・211(3+3)+313(2)の運用が消滅
しかし、翌週には211系の3連2本が廃車回送され、211系/313系混成編成は2本に減少。

さらに改正より2週間が経過すると、日本車輌で非常走行装置搭載工事を受けていた315系C3編成が出場、3月31日より運用に復帰した。このため、1行路の運用を残していた211(3+3)+313(2)が同日運用より離脱し、2本とも予備扱いとなった。

車両そのものはまだ在籍していたものの、組んでいた半固定編成を解かれており、事故や大規模障害がなければ運用に復帰することはない状況である。引き続いて試運転中の315系C13編成が運用に入ることから、予備車としての位置づけもごくわずかの期間に留まり、事実上の運用消滅となった。

この結果、2022年度内に
  • 神領車両区 K100編成(211系・3連)の運用消滅(211系4連は運用中)
  • 中央線 名古屋〜中津川間から313系の運用消滅
  • 中央線 名古屋〜中津川間はロングシート車で統一
が実施されたことになる。

中央線 名古屋〜中津川間は、1999年5月にはじめて313系が運用された区間であり、約24年を経てその運用が消滅。313系はJR東海のすべての在来線電化区間で運用されており、313系の運用がない区間が現れるのは2006年以来のことである。

なお、最終の運用は3月30日の121M(名古屋9:16発 普通神領行)、編成は神領方からK109+K117+B408と見られる。

神領区から大垣区へ313系1000番台(B0編成)が2本転属

315系の投入で神領区で余剰となった313系について玉突き転配が行われ、313系1000番台B0編成(4両)×2本が大垣区へ転属となっている。

前回の改正時では、神領区から48両に及ぶ313系が他車両区へ転属となったが、今回は2編成・8両に留まった。後述の混雑が激しい普通列車の車両を311系から313系に置き換えることが目的と見られる。

転属後は既存のJ0編成の連番でJ11・J12編成を名乗っている。これにより311系1編成が廃車となっており、近々もう1編成が廃車となる可能性がある

玉突き転配の詳細は車両の動き(2022.5〜)を参照。なお、今回は神領区から静岡区への転属はない。

各形式の編成表は以下も合わせて参照。

311系の運用が豊橋以東で復活

前回の改正で豊橋以東の運用が消滅した311であったが、今回の改正では浜松〜豊橋の運用が復活している。

ただし、一部の313系4連と共通運用となっており、どちらが運用に就くかは日替わりの状況である。また、311系は315系の置換対象車であり、今後その運用数を減らしていくと見られる。

315系4連(C100編成)はいまだ運用に就かず

一方、2022年12月に神領車両区に配置された4両編成の315系C100編成は、各線で試験や試運転を続けており、今回の改正に至ってもいまだ運用に就いていない。

試験検証を兼ねた営業運転は関西線で2023年6月の予定。

某労組情報

公式リリースではないが、JR東海系の労組がネット上でダイヤ改正の詳報を公開している。リリースにない改正内容を拾い上げる。

列車キロは変動なし・車両キロは…

列車キロについては、特急・普通(快速含む)ともにまったく変動がない。これは現状の運行区間・本数が維持されていることを示している。

車両キロについては、特急が3%ほど減っているが、普通・快速は微増である。名古屋地区は40万キロのオーダーに対し180キロの増と誤差レベルであるが、静岡は14.5万キロのオーダーに対し1350キロの増なっている。

行路は白紙改正も

情報の中には「東海道線・中央線は白紙改正」との文言もあり、列車ダイヤそのものに大きな変更が見られないことから、行路の改正と見られる。

運用行路には、A行路(車両)、B行路(運転士)、C行路(車掌)があり、とりわけ乗務員行路(B・C)については大幅な受け持ち区の変更が予定されている。

車両運用の変更には詳細な記載がないが、東海道線名古屋地区朝ラッシュの311系4連普通2本を遅延対策で313系に置換えることを明記している。

非電化区間の2両ワンマン拡大

ワンマン運転拡大について、高山線・太多線・紀勢線・参宮線について2両のワンマン運転実施列車を増やす旨について記載あり。

なお、導入について発表のあった4両ワンマンについてはとくに記載はない。対象の315系C100編成もまだ2編成のみで試験段階であることから、今回の改正では盛り込まない模様。

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