ここでは、2024年3月改正にともなう各線の列車編成の動きについて記す。

目次

中央線名古屋口

中央線名古屋口(名古屋〜中津川間)の編成は、神領車両区の315系8連(C0編成)で統一されている。運用本数を前回改正時と比較すると以下のとおりである。
編成2023.3
(改正前)
2024.3
改正後
備考
315系
(8連)
1022■■■■■■■■
■■■■-■■■■
211/315
(8連)
12-■■■■-■■■■
■■■■■■■■
2222※平日の運用数

実際にはダイヤ改正の半年前にあたる2023年度の10月において、211系がすべて離脱し315系の統一がなされていた。ただし、8連の非常走行装置取付工事による車両不足、および4連(C100編成)に余裕があったことから、C100編成を併結した315(4+4)の編成なども走っていた。

改正後は4連が東海道線・武豊線での運行を始めたことから、しばらく8連単独編成のみとなっていたが、2024年度に入って4連の追加投入があったため、距離調整で再び4連併結運用も行われている。

また、運用本数も22行路で同じである。中央線では2024年3月改正で昼間の運転本数の見直しがあったが、ラッシュ時の運転本数には変化がなく、運用行路数にも変化はない。

関西線

関西線はいずれも神領車両区所属の315系C100編成(3000番台・4連)と313系B500編成(2連・ワンマン)の2種類である。運用数の比較を以下に示す。このほか、名古屋車両区所属のキハ75形気動車が快速みえとして運転される。
編成2023.3
(改正前)
2024.3
改正後
備考
315系(4)
C100編成
-6■■■■
313系(4)
313系(2+2)
6-■■■■
■■-■■
313系(2)
B500編成
1212■■

前回改正時点で313系4連であったものが、315系4連に変わった形である。315系の投入に合わせ、313系B0編成(4連)は大垣区へ、B400編成(2連)は静岡区へ転出している。

中央線同様、実際には2023年12月より4連運行は315系に統一されており、改正前後では大きな変更はない。ごく一部に315系と313系2連で行路の入れ替えがあった程度である。

なお、今回の改正で、315系も含めすべての電車が武豊線と共通運用となっている。315系4連の運用詳細は車両ごとの運用・315系3000番台を参照のこと。

東海道線(名古屋地区)・武豊線

編成ごとの運用本数の比較

東海道線(名古屋地区)・武豊線の運用編成本数について、改正前後の比較を示す。東海道線は大垣車両区の半固定編成が多く用いられる。
編成2023.3
(改正前)
2024.3
改正後
半固定組成・備考
313系8連
半固定運用
149■■-■■■■■■
■■■■-■■■■
313系6連
半固定運用
1016■■■■■■
■■-■■■■
■■■-■■■
313系4連
単独運用
2023■■■■
311系4連
単独運用
14*4▢▢▢▢
315系4連
単独運用
-5■■■■
(神領区所属)
注1 - * 改正前の311系の運用には一部313系も充当。
注2 - その他、313系R100編成・B500編成(神領区)の単独運用もあるが、変化がないため省略。

改正前後で比較すると、8連半固定編成の減少が目立つ。313系300番台(Y30編成・2連)の静岡区への転出にともなうものである。また2連の減少により従来2+6の構成であった8連半固定運用に4+4の編成も加わっている。

また、311系が運用本数を減らし、神領車両区315系C100編成が運用を始めている。これらの運用詳細は車両ごとの運用を参照。

なお、前回の改正からの1年間で大垣区の車両は、311系が28両廃車・313系が16両転入。そして改正を迎え、313系が22両離脱(転属)、315系の移管が20両(神領区持ちに変更)で、当該区間の車両数は単純計算で14両の減である。

東海道線の減車

8連半固定編成の減少にともない、東海道線では8両編成の列車のうち約3分の1が6両編成に減車となっている。

下記は名古屋発着の編成を列車ごとにまとめたものであるが、改正による変更欄で減車した列車も示している(スマホの方は右にスワイプしてご覧ください)。

東海道線は終日の混雑が言われていたため、この減車措置は想定外であったとの声が多い。

武豊線はすべて神領所属車に

今回の改正で東海道線・武豊線で運用を開始した神領車両区315系C100編成であるが、ほぼ武豊線への集中投入であり、名古屋〜武豊の区間快速を中心に運用されている。

これにより武豊線は、これまで運用に入っていた311系のほか、大垣区所属の313系もすべて撤退した。

この結果、315系と電化時から運用に入っていた313系B500編成に統一され、すべての編成が神領車両区所属車となった。いずれの編成も関西線と共通運用である。

東海道線(浜松〜豊橋)

静岡車運用増・大垣車運用減

東海道線のうち浜松〜豊橋間は、大垣車両区と静岡車両区の双方の車両が運用される区間である。これまではおおむね大垣3:静岡2の運転本数であったが、今回の改正で差異が生じている。

以下は平日における当該区間の列車本数の比較である。
所属車両区2023.3
(改正前)
2024.3
改正後
増減
大垣車両区61本40本△21
静岡車両区42本63本+21
このように静岡区所属車の運用が増え大垣所属車が減っており、その比率が大垣2:静岡3と逆転した。大垣区所属車はすべてクロスシート車であるのに対し、静岡区所属車はロングシート車が多く、同区間のロングシート比率が増えたとも言える。

また、大垣区所属車の最短編成が4両編成であるのに対し、3両編成の静岡車両区所属車に変更となった列車もあり、日中を中心に減車傾向が見られる。

下記は、改正後と改正前における浜松〜豊橋間の列車と編成一覧である。改正後は昼間時を中心に大垣区の313系運用が減っているのがわかる。

静岡車両区にも半固定編成導入

今回の改正から、静岡車両区の車両についても半固定編成が導入された。共通運用も含めると、浜松〜豊橋間で運用される静岡区の編成は以下のとおりである。当該区間は4連半固定と3連が中心で、6連半固定は早朝・夜間のみの運行となっている。
編成編成構成
←豊橋 熱海→
備考
211系/313系
6連半固定
211系(3+3)■■■-■■■トイレなし
211系(3)+313系8500(3)■■■-■■レア編成
211系/313系
4連半固定
211系(2)+313系2300(2)■■-
313系
3連共通
313系2500/2600(3)■■
313系8500(3)■■レア編成
相変わらずトイレのない編成もあるが、トイレなしの211系とトイレ付きの313系が併結する場合は、313系を熱海方に連結し、トイレ付き車両()が編成中央となるよう配慮されているようだ。

このように半固定編成を導入したのは、6月からの315系導入があるようだ。315系は4連であるのに対し静岡区所属車は3連が多く、順次置き換えていくには編成両数が一定せず、運用上支障がある。そこで、2連を併結して4連の半固定編成を用意し、順次置き換えるようにしたようだ。

また、3連を併結することで6連の半固定編成とし、4連の315系と313系2連を併結して置換えるものと予想される。大垣区から2連の313系300番台(Y30→K編成)が転属しているのはこの準備と見られる。

この措置に合わせ、改正前に見られた211系と313系を併結した5両編成はなくなった。

なお、211系が充当されている半固定編成のうち、6連半固定は東海道線のみの運用だが、4連半固定は身延線・御殿場線の運用もある。315系の運転開始を東海道線は6月から、身延線・御殿場線は11〜12月からとしていることから、6連半固定の置き換えが先行すると想定される。

313系8500番台(S編成)は共通運用に埋もれる

元セントラルライナーの313系8500番台(静岡車両区・S編成)は、改正前まで独立した運用が組まれていたが、今回の改正からは他形式と共通運用となり、定期的な限定運用がなくなった。

しかも前項で示した通り、複数の運用に分散して運行されるため、S編成が充当されるのはかなりレアケースとなる。充当される6連半固定編成の運用は12行路、313系3連の運用は19行路あり、合計31行路。対してS編成はわずか6編成であることから、充当確率は2割にも満たない。

ただし、313系3連の運用には、浜松〜豊橋間を9往復するシャトル運用があり、まれにこの運用にS編成が入った場合は当該区間での乗車機会が著しく増えることがある。

なお、静岡区の運用詳細は、ハスラートラ様の東海道線静岡地区運用情報が詳しい。

車両ごとの運用

311系

大垣車両区所属の311系は、最初の廃車が行われてすでに約2年が経過しているが、2024年3月改正を迎えても5編成が在籍し、4行路の運用を残している。約140両が1年半で一気に運用を失いすべて廃車となった神領区の211系と対照的である。

運用図は以下に示す。
運用図の画像プレビュー


前回改正時には12編成が在籍し東海道線(浜松〜米原間)や武豊線で多くの運用を持っていたが、1年間で5編成までに数を減らし今回の改正で多くの運用から撤退。とくに武豊線の運用はすべて315系に置き換えられ、改正後は日中の大垣〜米原間のシャトル運用が中心となっている。

豊橋〜大垣間で姿を見せる列車は、平日8本・土休日6本までに本数を減らし、その多くが早朝深夜である。浜松〜豊橋間の運用も消滅した。

一方で、わずかであるものの、併結8両編成の新快速・特別快速運用も残っている。

311系の編成表は下記を参照。

315系3000番台(C100編成)

神領車両区所属の315系C100編成(3000番台4連)は、旧来の関西線の運用に加え、2024年3月改正において東海道線(大府〜大垣)および武豊線にて運用が始まっている。

運用は関西線との共通運用であり、
運用線区平日土休日備考
関西線6行路6行路
東海道・武豊線5行路4行路
11行路10行路
となっている。C100編成は2024年3月改正時点で全12編成であり、予備を1編成確保した形だ。

詳細な運用図を以下に示す。各線とも朝および夕〜夜の運用が主である。
PDFのプレビュー(詳細は上記PDFを参照)


PDFのプレビュー(詳細は上記PDFを参照)


関西線は6行路で改正前から大きな変更はない。一方、東海道・武豊線は、名古屋〜大府〜武豊の区間快速運用が中心で311系の運用を置換えた形である。名古屋〜大垣は回送を兼ねた間合い運用のみで本数も限られる。

2026年と言われている315系のワンマン運行開始までは、このような暫定運用が続くとみられる。

運用順は以下の通り。
平休平日土休日備考
運用順午前午後午前午後
1関西関西関西関西
2関西関西関西関西
3関西関西関西関西
4関西関西関西関西
5関西関西関西関西昼 神領区
6関西東/武豊関西東/武豊
7東/武豊東/武豊東/武豊-
8東/武豊東/武豊-東/武豊
9東/武豊東/武豊東/武豊東/武豊
10東/武豊東/武豊東/武豊東/武豊
11東/武豊関西東/武豊関西
運用は午前午後で分かれており、日中は運用がない。所属区所は神領車両区であるが、夜に神領区に戻る運用はなく、夜間停泊は名古屋・亀山・大府・大垣・熱田である。神領区での検修は昼間に戻って実施される。

また、運用順の6番目と11番目で、関西線⇔東海道/武豊線が昼間を挟んで運用が入れ替わっている。土休日は東海道/武豊線の運用が一本少ない。

このページへのコメント

誤 147時45分頃 正 17時45分です。失礼しました。

0
Posted by 211-5000 2024年04月19日(金) 18:02:52 返信

平日、147時45分頃、神領駅の3番線には名古屋方面に向かう回送の編成が入線していました。名古屋方は313系(2+2)+315系(4)の8両です。異形式ですが、早朝の大垣発の編成とは、並びが違います。

0
Posted by 211-5000 2024年04月19日(金) 18:00:32 返信数(1) 返信

これは改正前から行われている、夕方の送り込み運用ですね。
315系は運用図の5番に相当し、昼に神領に戻る行路になります。

1
Posted by yoke 2024年04月20日(土) 06:34:04

このページの作成にあたり、静岡地区運用情報のハスラートラ様からご助言や情報提供をいただきました。
この場を借りまして、御礼申し上げます。

2
Posted by yoke 2024年04月06日(土) 18:40:13 返信

前回改正(2023.3)のときは、運転本数や列車編成両数に大きな変化はなかったので、作っていなかったのですが、今回の改正は減車や車両の受け持ち区が変わるなど、運用や編成変更が大きいことから作りました。

とくに東海道筋は、減車の影響が大きく、半固定編成の増減なども記事化すべく準備を進めています。

1
Posted by yoke 2024年03月31日(日) 17:34:33 返信

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